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佐賀 子どもシェルター ばるーん

ばるーん通信

ばるーん通信9号

第9号(令和6年7月吉日発行)


☆**複雑な事情を抱えた子どもに寄り添うこと**

Aちゃんが入所してしばらくたったころから“この子の愛着障害はかなり重度だ”と思えるところがいくつもありました。対人関係の不安定さ、依存的、分離不安、自己肯定感の低さなど症状として顕著に見られました。ミーティングで、施設長(以下マザー)はスタッフに「育てなおしをしているので協力をお願い」と共有し皆で頑張りました。
育てなおしは簡単に且つ短期間で出来るものではありません。ばるーんで生まれてマザーがママ。乳児期~幼児期~学童期、そして18歳のAちゃんへの育てなおしです。

Aちゃん作

Aちゃんが退所した今、振り返って言葉で表すとすれば、それは【凄絶】なものでした。彼女がたどってきたエピソードをいくつかご紹介します。

  • おままごと道具や人形を揃えごっこ遊びをする
  • ままごとセットの包丁でマザーを妊婦に見立ててお腹を切る真似をして「帝王切開」や「手術」と言って遊ぶ
  • マザーと片時も離れたくなくてマザーの手を離さず手を噛んで歯形を付ける
  • マザーに心配してほしくて断食をする
  • ばるーんを保育園に見立ててマザーが居ない間ばるーんスタッフに預かってもらっているという設定で生活する
  • スタッフにケガさせられたとマザーに嘘をついて心配してもらう
  • 膝枕をしてもらい絵本の読み聞かせをしてもらう
  • マザーに添い寝をしてもらう

…などあらゆる赤ちゃん返りや退行現象が現れました。Aちゃんは、これら自分がたどっている状況を自分で知りたいと思い何度も図書館に行き、心理や愛着のことが書かれている本を熟読して、自分なりにノートにまとめてみたり、スタッフと納得するまで話をしたりしました。彼女は《自分に何が起こったのか》《どうしてこうなったか》を自分で認識することが出来、確実に成長しました。そして、ばるーんの娘として巣立って行きました。

スタッフT.K

**施設長談話 「スターゲート」**

今、目の前にいる子どもたちは、この輪をくぐるかどうか迷っています。このゲートをくぐれば、その先の未来は変わります。さあ、一歩踏み出すだけ!
しかし、人の心は不思議なもので「変わりたい」と思っていても「変わる」ことに対して抵抗します。
そうすると、「変わることのできない言い訳」を「誰か」の、そして、「何か」のせいにしてしまい、今の場所に留まろうとするのです。
みなさんもそういう経験がないでしょうか。
「でも、仕事の責任があるから」「だって、親の希望があるから」「どうせ、言っても同じ」変わりたいけど変わることができない。
ついつい「D言葉」を使ってしまうのです。
苦しい。逃げたい。辛い。「いったい私は誰のために、何のために生きているのかしら・・・。」
もし、自分でこの場所が自分の心とは「うらはら」であると意識できたのなら、自分から変わっていけばいいのです。ただそれだけです。
シェルターで子どもたちは、「本当の自分」と向き合っていきます。
「あなたはどうしたいの?」「あなたの人生はどう生きたいの?」「あなたは何にときめくの?」「あなたは何をしている時に心の底から笑っているの?」「大丈夫。あなたの人生はあなたのもの」スタッフにそう問いかけられます。
問いかけられた子どもたちは、「D言葉」で「でも、だって、どうせ」と言いながら、スタッフの反応を見るのです。それでもゆるぎない笑顔で「大丈夫」「ありのままのあなたでいい」「もう、大人にコントロールされずに生きていい」と背中を押されるのです。
子どもたちは、シェルターのスタッフと日々の暮らしを営む中で、その様な「小さな選択」をするという場面に遭遇しながら、自分らしくあるという訓練を積み重ねていきます。
そして、自分らしさと自信を取り戻し、あの、スターゲートをくぐって、新しい未来に向けて一歩を踏み出していきます。 
スタッフは、ただ、優しくその背中を見送ります。
心の中で「どうぞ幸せに。自分らしく生きて。」と願いながら。

春より、新しいスタッフが仲間入り

「子どものために何かしたい」という気持ちで関わりを持ち始めました。相手の気持ちに寄り添うこと、相手の話に耳を傾けること、自分の気持ちに正直になること、興味のあることに一歩踏み出す勇気…、これらは、子どもから私が学んだことです。子どもと関わることで、私自身が成長していたのです。ありがとう、子どもたち!
スタッフA.M

「一緒にテレビを見よう!」「見て!この絵描いたんだよ!」そんな子ども達の笑顔に元気をもらっています。そんな一瞬一瞬を大切に、共に色んな気持ちを分かち合いたいと思っています。子ども達が、「人と関わる事って捨てたものじゃないな♪」「大人たちに愛されているんだ!」という実感を持ってばるーんを旅立てるよう、一人ひとりの思いを大事にしたいです。
スタッフS.O

ばるーんの毎日

アルバイトを頑張りました!

ポテチ作り☆美味しく出来ました!

お花見♪桜きれいだな~

有田にて絵付け体験☆

ばるーんの子どもシェルターでは、それぞれの個室や共有スペースで過ごしたり、スタッフやボランティア、他の子どもと会話や食事、希望に応じて学習、スポーツ、レクリエーションなど余暇を過ごしてもらいます。

「ボランティア養成講座」を実施しました!

理事長、施設長による講話

映画「リアル ボイス」を視聴

ばるーんの子どもたちと触れ合ったり、ばるーんの活動の力になってくださる方々を募集しようと、「ボランティア養成講座」を3回に分けて実施しました。述べ約100人の方々に参加していただき、皆様の関心の高さと「子どもシェルター」の必要性を実感しています。「第1回」は、佐賀子ども支援の輪理事長と佐賀子どもシェルターばるーん施設長の講話を行い、「子どもシェルターとは?」について知っていただきました。「第2回」は、虐待を受けた当事者山本昌子さんを講師にお招きして、同氏を中心に作成した映画「リアルボイス」の上映をした後に、同氏の実際の体験談や現在の活動などを施設長とのトークセッションにより、虐待を受けた子どもの心について理解を深めました。「第3回」は、子どもアドボガシーセンター北九州の宮田さん、福田さんをお招きして、「子どもの権利を守り、子どもの声を拾い上げることの大切さとその方法」について学びました。実施の結果、子どもシェルターのボランティアに名乗りを上げてくださった方が約30人おられます。仲間が増え、スタッフ一同楽しみにしています。

ご寄付やご協力に感謝

皆さまには、日頃よりご支援を賜り感謝申し上げます

このたびは、当法人の活躍をご理解いただき、また過分なるご支援を賜り心から感謝申し上げます。
おかげさまで、多くの方々にご理解とご賛同をいただき、深く感謝しております。
今後とも子どもたちが、夢を持ち人生を歩むことができるよう活動を続けて参ります。
今後とも、温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。

バックナンバー

佐賀 子どもシェルターばるーんのスタッフからみなさまへ
日々のご報告とご支援への感謝、そして子どもたちの日常を綴った「ばるーん通信」のバックナンバーもご覧ください。

みなさまからのご支援や温かいお気持ち。全部子どもたちに伝わっています。
直接言えない子どもたちからの「ありがとう」を、このばるーん通信に込めました。

 

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