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佐賀 子どもシェルター ばるーん

ばるーん通信

ばるーん通信8号

第8号(令和5年12月吉日発行)


☆初の試み☆子どもの“やってみたい”から“マルシェ開催”までの歩み

「私これからどうしたらいいのでしょうか。助けてください。」一通のメールが、大阪のシェルター「ぬっく」に届きました。
メールの送り主はK子17歳。
K子は佐賀在住のため「ぬっく」から当法人事務局に連絡があり、理事長がメールのやり取りを始めました。
理事長が優しく丁寧に対応を続けると、「電話では話せないので、メールで会話していいですか」と少しずつ心を開き始めました。
その後、施設長ともメールのやり取りができるようになり、面会することができました。
これまで、自分を出せず気持ちを押し殺してきたK子は、本当にシェルターの人を信用していいのか、大人が自分を受け入れてくれるのか疑心暗鬼になります。
施設長と面会して10日間、飛び込んでいいのか繰り返し考えました。
そして、自分の状況を変えるために、シェルターを信じてみようと思い、入居してきたのです。
入居してすぐは、元気もなくテレビを見て過ごす毎日でしたが、スタッフと調理をしたり、絵を描いたり、ミサンガを作ったりするうちに、自分の出来ることが多くなっていくと、次第に笑顔も増え始めました。
「私、ちぎりパン作れるんだ!」「フルーツスムージー作りたい!」と安心して自分を出せるようになると、手慣れた様子でいろんなものを振舞ってくれるようになりました。

レジン作りにも挑戦したK子でしたが、出来上がりをワクワクしながら覗くと固まっておらず、やる気を失くしてしまいました。
その様子を見て、別の日に「1時間だけレジンやらない?」と尋ねてみました。少しでも元気になってほしかったのです。
そうすると、K子は「〇〇さんがやりたいからでしょ~」と笑いながら付き合ってくれて「どうして固まらないのか」2人で、あーでもない、こーでもないと実験し、何個も試作品を作り、着色料が多いということに気付きました。

これでレジン作りに火が付いたK子は、レジン作りが好きになり、朝から晩まで集中して作り続けます。
時には、スランプに陥りスタッフに「作っていいよ」と制作を丸投げすることもありましたが、K子の才能を終わらせたくないのでスタッフは必死です。
その姿を見て「作りたくなった!」と再び燃え始め、様々な美しいレジンの作品を作り上げました。それは、プロそのものでした。
スタッフの間で、「この美しい作品を沢山の人に手にしてもらいたい」という思いが芽生え始め、東奔西走して、作品を置いてくださる喫茶店が見つかりました。
そして、以前からK子が「お母さんがマルシェで私の作品を出したらって言ってくれてた、マルシェをしてみたいんだよね」と話していた言葉を思い出しました。
K子の作品尽くしで、初の試み「ばるーんマルシェ」を開くことになったのです。
K子は、開催に向け、目を輝かせてレジンアクセサリーや、ちぎりパン、スムージーをどうやって提供しようか、どうやって飾ろうかと考えました。
また、消しゴムハンコを作り、ラッピングも一つひとつ丁寧に作り上げ、手作り感満載の温かいマルシェ会場が出来上がりました。
マルシェ当日、「作品はその場で買ってくれる人の欲しい形(ピアス、イヤリング、ブローチ)に作ってあげたい」とK子の優しさに満ち溢れ、会場は大盛況でした。
K子の退所日が近づくと、「お世話になったばるーんを立つ鳥運動」と言いながら、ばるーんの木の剪定、草刈り等の清掃に積極的に取り組んでくれ、スタッフは、K子の気持ちのこもったプレゼントに目を細めながら数日を過ごしました。
才能に溢れるK子との出会いに、私たちスタッフも、色んなことにチャレンジでき「マルシェ」という新しいレクリエーションに挑戦できました。K子に感謝の気持ちでいっぱいです。

スタッフY.O

【施設長の一言】
ないからあるへ
「これができない」「あれができない」
『ない』ことばかりを指摘されてきた子ども達。本当にないのでしょうか。
子どもたちの可能性は無限大です。「ない」と決めてしまえば、才能が開くことも、輝かしい未来を描くこともできません。
子ども達には、どんな未来へも進むことができる権利があります。
子どもたちの『ある』ことに目を向けて、信じて支える。
「ないからあるへ。ありがとう」

10月より新しいスタッフが仲間入り

ばるーんに来た子ども達とたわいもない話をしたり、季節の飾りを手作りしたり、お菓子作りを楽しんだり…また、ゲームで遊んで思いっきり笑ったり。心地良い場所として、家庭の温かさを伝えられたらと思っています。これからも子ども達が安心できるようにサポートしていきます
スタッフR.S

子どもたちは私の作ったご飯を食べて「わ~美味しい!この味好き。料理できるっていいじゃん!」と声をかけてくれます。応援団でいるつもりが、知らぬ間に私の方が子どもたちから力をもらっています。パワーと優しさを持つ子どもたちを真剣にサポートする大人たちの一人でいたいと思います。
ボランティアT.M

ばるーんの毎日

ばるーんに来たばかりの子どもの緊張した顔も、スタッフが根気強く寄り添い話を聴くことで次第に頬が緩み、自分のことについて、ぽつり・ぽつりと話し出してくれます。
スタッフはそんな小さな呟きを見逃さず、子どもたちの「やりたい」気持ちを引き出します。
子どもたちからいろんな「初めて」を教えてもらい、何歳になってもその感動を味わえることにスタッフ一同、感謝感激です。
点のように散らばっていた「やりたい」を拾い集め、線を描いたその先に子どもたちの笑顔がありました。

ばるーんガーデン

鮮やかな花が庭を彩り、茄子や人参も実を付けました。
今年は庭の柿の木が大豊作!
収穫した柿でジャムをつくり、スタッフと一緒に柿キャラクターを考え、お世話になっている方々へ、手渡しで感謝の気持ちを伝えに行きました。

ご寄付やご協力に感謝

皆さまには、日頃よりご支援を賜り感謝申し上げます

「スタッフがみんな集まるなら、みんなで焼鳥がしたい!」ある日、B子が言いました。
近日、ミーティングで職員が一同に会することを知っての発言でした。
ご寄付いただいた食材で、B子を囲んで焼鳥パーティー!
ばるーんでの初めての大人数での食事、少し緊張しているのか、いつもより言葉数は少ないものの、頬を赤くして少しだけテンションが高いB子を見て、スタッフも嬉しくなりました。
そのような時間を過ごせますのも、皆さまの温かいご寄付があるからこそだと心より感謝いたしております。

バックナンバー

佐賀 子どもシェルターばるーんのスタッフからみなさまへ
日々のご報告とご支援への感謝、そして子どもたちの日常を綴った「ばるーん通信」のバックナンバーもご覧ください。

みなさまからのご支援や温かいお気持ち。全部子どもたちに伝わっています。
直接言えない子どもたちからの「ありがとう」を、このばるーん通信に込めました。

 

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